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2017.10.30

本当に賢い消費者となるために!中古住宅の購入トラブル防止マニュアル

大きな買い物だから起こりがちなトラブルを知って事前に対処を!

マイホームを手に入れるといえば、新築をイメージする方が依然多い“新築信仰”の強い日本ですが、近年はより条件の良い中古物件を安価に手に入れ、好みにリノベーション・リフォームを施して住むというスタイルも注目を集めるようになりました。住宅は、1日住めばもう新築でなくなるもの、中古物件にマイナスイメージばかりを抱くのは賢い選択ではありません。

しかし、その一方で中古住宅ならではの取引リスクが存在することも確かです。素人目には分かりづらい構造上の欠陥があったら、綺麗に見えても住んでみて初めて分かる劣化点や問題点が隠されていたらと、不安に思われる方も多いでしょう。住まいという人生の中でも、一般にごく限られた回数しかない大きな買い物ですから、なお慎重に失敗を避けたいと思われるのが当然です。

実際、中古住宅を購入したものの、あると思っていた住宅設備が取り外されてなくなっていた、周辺環境が想像以上に問題のあるものだった、水漏れ、雨漏りがあったなど、引き渡し後にトラブルとなるケースもさまざまに報告されています。こうした中古住宅購入の「こんなはずではなかった」を未然に防ぐには、どうすればよいのでしょうか。

契約に関する知識と安心制度の活用で賢く取引!

住宅を購入し引き渡しを受けた後に、知らされていなかった建物の基礎部分における深刻なひび割れやシロアリ被害といった劣化、雨漏りなどの重大な瑕疵といえる欠陥が見つかった場合、契約に基づいて、売主などにその賠償を求めることができる仕組みがあります。

新築住宅の場合、この瑕疵の担保責任が、施工会社や宅建業者に10年間といった長期間にわたり、義務として付されているため一定の安心が自動的に確保されています。しかし中古住宅の場合は、前所有者との個人間取引となり、個々の契約内容がすべてで、瑕疵担保責任はないものとされるか、ごく短期間に限定されるのが一般的となり、住んでみて分かった問題点は、購入者が自費で補修しなければならなくなることもしばしばであるため、トラブルになりやすいのです。

とはいえ、住まいのプロでもない一般消費者や、建築構造に詳しくない仲介業者などが、住宅の隠れた瑕疵(欠陥)を的確に見つけ出し、現況を細部にわたって正しく把握することは現実的に難しいものです。そこで、購入を決める前に、第三者の立場から豊富な知識と経験をもったプロによる調査を行うことで、リスクに対処することができるようになります。

この建物調査は、屋根や外壁、基礎、水廻り、床下、屋根裏など、住む上で大きな支障をきたす住機能の欠陥がないか、リフォームや修繕が必要なポイントがあるならば、いつ頃、どのくらいの費用をかけて行わねばならないと考えられるか、専門家による詳細なチェックを行い、結果として報告書で示すもので、さらに保証とセットにした「既存住宅売買瑕疵保険」の制度も利用できます。

任意の保険ですが、この制度の適用を求めて住宅の購入検討を進めれば、万が一、住み始めて欠陥や不具合が生じた場合も、条件を満たせば保険でカバーしてもらえるようになります。

中古物件を購入して、すぐにリフォームを行うことを前提にしている場合も、リフォーム事業者が加入する「リフォーム瑕疵保険」の制度がありますから、これらを活用して安心・安全を確保することができるでしょう。これらを活用する場合は、保証書などの関連書類を確実に受け取り、内容をよく確認してきちんと保管しておきましょう。

売主となる側が、説明責任を怠ったり、故意に瑕疵を告げなかったりした場合には、こうした担保責任の範囲を超えていても損害賠償などを求めることができるケースもあります。まず冷静になり、問題点を具体的にメモしたり、記録を残したりして、専門の相談窓口や弁護士などに相談することをおすすめします。

トラブルになってしまった場合は、そうした冷静な対処と交渉が必要ですが、まずは未然にそうした事態を防ぐ行動をとることが一番ですね。住宅設備に関しては、売買契約にあたっての「付帯設備及び物件状況確認書」を作成し、売主と買主の間でしっかり確認をすべきです。もちろん「売買契約書」や「重要事項説明書」も契約時の重要書類ですね。これらの内容確認と保管・管理を徹底することは、トラブル回避の基本です。

仲介業者がアフターサービスを提供している場合などは、その取り決めに関する書類、保証書も大切に保管しましょう。連絡先や保証期間の確認も忘れずに。

物件取得にあたって減税制度や補助金を利用するならば、必要な書類がそろっているか、手続きは期限内で確実に行えているかチェックすることも大切ですね。

慣れない手続きや確認が多くなりがちですが、うまく制度を活用し、ひとつずつ丁寧に進めることで、事後のトラブル発生を防ぎ、納得のいく取引を成立させて、真に賢い消費者となれるようにしましょう。

(画像は写真素材 足成より)