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2018.1.25

既存住宅で理想の住まい空間に!リフォーム一体型ローンを活用

費用面の課題をこれでクリア!

誰もが手に入れたいと思うのは、自分が理想として思い描く暮らしの舞台となる住空間であり、快適に安心して住み続けることができる住まいでしょう。そのために満たすべき条件やあるとうれしいスペックは、個々さまざまに広がっているものですが、現実にはやはり費用との関係性が大きな問題となります。

限られた予算内で、より理想に近い住まいを、環境や立地条件の良いところで確保しようという場合、新築より、既にある中古住宅物件を購入し、リノベーションや大規模リフォームを実施する方が有効であるケースは少なくなく、こうした方法を住宅取得の方法として選択する人も増えてきました。

しかしこの場合も、費用面の問題は残ります。物件そのものの購入はぐっと割安に行えても、リフォーム費用もまとまった金額になりますから、この2種類の費用について効率良く負担する方法を考えていかなければなりません。そこで注目されるのが「リフォーム一体型ローン」です。どのようなローンなのか、詳しくみていきましょう。

リフォーム一体型ローンとは?

一般に、大規模なリフォームやリノベーション、増改築の実施が必要で、費用が多額となる場合、リフォームローンを利用することができます。しかし、リフォームローンは無担保ローンであるため、借入期間が7年程度であるほか、限度額が500万円ほど、金利も住宅ローンに比べて高めであるなど、利用の観点からみてあまり良い条件のものではありません。

物件購入に住宅ローンも組んだ資金調達を考えている場合、このリフォームローンとの併用で十分な資金を集め、返済していくことはかなり難しいでしょう。これでは希望のリフォームを実施できず、理想が実現できないまま我慢して住み始めなければならなくなってしまいます。

そこでおすすめなのがリフォーム一体型ローンです。これは、リフォームローンと住宅ローンを一体化して組めるようにしたもので、返済期間も長期に設定できる上、金利も住宅ローンと同じ水準が適用となりますから、一般的なリフォームローンよりぐっと低く抑えることができるのです。

リフォーム工事の内容や金額、割合などにかかる制限もなく、自由に計画できる良さもあります。これにより、重くなりがちな初期の返済負担を大幅に軽減し、安定した資金計画のもと、理想の住まい実現に向けた選択肢の幅を柔軟に広げることができるでしょう。

かつては提供している金融機関がごく限られていましたが、近年は既存住宅の流通促進、活用に対する関心が高まる中、リノベーションの認知も向上し、70%を超える金融機関がこうした一体型ローンを取り扱うまでになりました。各機関を比較し、選べる環境が整ったことも、高い利用価値を生むところとなっています。

利用の仕方と注意点、まずは事前計画をしっかりと!

リフォーム一体型ローンの場合、住宅ローンとリフォームローンを併用する場合のように、2回に分けて手続きを行う必要はありません。その代わり、融資を申し込む際に、リフォーム・リノベーションの工事計画を立て、見積書などで金額を提示することなどが必要となります。

中古住宅を購入してリフォームする場合で、住宅ローン「フラット35」のリフォーム一体型ローンを利用するケースについて、手続きを説明しましょう。借入の申し込みを行うと、まず事前確認が行われます。続いて既存住宅売買瑕疵保険に加入し、中古住宅の購入代金支払いに充てるつなぎ融資を受けます。

リフォーム工事計画の確認を経て工事を実施し、工事完了後に適合証明検査を受けて、リフォーム工事の代金決済時にまとめて資金を受け取ります。ここで受け取った資金からつなぎ融資の返済を実行し、一本化したローンとして返済していく流れになるのです。

注意したいポイントとしては、リフォーム計画による工事代金を含めた金額で審査手続きを受ける必要があること、既存住宅売買瑕疵保険への加入が求められること、つなぎ融資を使うことでしょう。

リフォーム工事内容や費用に変更が生じた場合、再審査となりますから、申し込み時に十分完成イメージを固めた計画となっていなければなりません。リフォームを依頼する工事業者は早めに決定し、段取りを整えましょう。工事業者と密に連絡をとり、スケジュール調整などにも応じてくれる不動産仲介業者の協力が得られれば、より利用がスムーズになります。

既存住宅売買瑕疵保険は、住宅の検査と保証がセットになったもので、購入後に隠れた重大な欠陥が見つかった場合に、その補修費用などが保険金でカバーできる仕組みです。住宅の品質面でも安心できる要素となりますから、別途費用がかかりますが付けるようにしましょう。

リフォーム一体型ローンの資金を受け取れるのは、リフォーム工事が完了し、その代金支払いを行う時点になります。そのため、中古住宅の購入は自己資金で行うか、つなぎ融資を使わねばなりません。つなぎ融資を用いる場合、資金を受け取って返済するまでの期間に生じた金利分の負担も必要ですから、その点もきちんと考慮しましょう。

リフォーム一体型ローンだけでなく、どんなローンにもいえることですが、やはり無理のない返済計画に支えられた十分な事前準備と確認が欠かせません。注意点もよくチェックして、賢く利用してください。

(画像は写真素材 足成より)